マルコシアス
Marchosias

「少年よ、覚えておくが良い。騎士とは…如何なる場所でも曲げられぬ、生き様のことだ」

そこは、新宿の繁華街の路地裏。人の欲と裏切り、そして嘆きと媚態が渦巻くアジアの不夜城の塵溜め場。
地獄と呼ばれる異界より召喚された騎士が見たのは、己が幼子をかばい、致死の傷を負った男だった。
もはやその命は数分と持つまい。
目の現れた悪魔との契約に、だが、その男は命を長らえる事ではなく、遺児を託す事を願う。
騎士は、願う男の目に、己が故郷で絶えてみることのなかった光を見た。
異形なる悪魔との契約に、男は安堵の笑みを浮かべ、そして目を閉じる。

「誠実な願いへ誠実に答える」という誓いを背負った、天使よりもなお高潔なる地獄の騎士は理由も分からないまま、見返りもないまま、幼子へと襲い掛かる者たちと戦い続ける。
幼子が父より受け継いだ「ゲート」と「アプリ」の真実を記す遺品、それが近い未来に東京を大きく揺るがす事を、未だ知らないまま…。

【ILLUSTRATOR】朱交赤成

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